興津海岸では、釧路市の文化財に指定された(昭和50年12月12日)、春採太郎を見ることができます。春採太郎とは、海岸に面した崖面に露出している砂岩脈です。
砂岩脈は、釧路では知人岬から厚岸湾までの海岸に、大小百本以上あります。それらの岩脈の厚さは、一般に10cm以下で1mを超えるものはほとんど見られません。しかし、この春採太郎は幅約4m、陸地と海底を合わせた延長が数km、上下方向300mに及び日本一の規模となっています。これらの岩脈は、石炭を含むことで知られる浦幌層群が堆積した後、地殻変動に伴ってできた地層の亀裂に、砂などが吸い込まれて形成されたと考えられています。
(解説:釧路市立博物館) |